【FM24】424 deformation(戦術紹介)

概要

RWを中央に絞ってAMに置くアシンメトリーの4-2-4。戦術検証サイト「FM-Arena」では、複数のユーザーがこの配置の戦術を用いて上位にランクインしている。本記事ではこれらの戦術の中で最も優秀な成績を残しているA Smile氏の「424 deformation II」を紹介する。


424 deformation II(A Smile氏)
424 deformation II


424 deformation AM4(letsgo9氏)
424 deformation AM4


4222 Asym IX(letsgo9氏)
4222 Asym IX


戦術

フォーメーション

近年のFMシリーズでは最も結果を残しやすいとされているハイプレス・ハイラインを採用。左サイドを中心に攻めつつ、右サイドは空いたスペースにRBがオーバーラップで攻め上がる。


SBの個別指示

LWの個別指示

AMの個別指示

個別指示は両SBに幅を取らせ、LWを内側に絞る点が特徴。AMはポジションそのものが内側に絞ったRWともいえるが、個別指示としては「幅広く使え」を選択している。


テスト環境

  • パッチ24.2.0のデータベースでテスト
  • プレミアリーグ20クラブのうち4クラブの戦術を「424 deformation II」で固定
  • 全ての選手は移籍をしない
  • 全ての選手は怪我をしない
  • 全ての選手の能力値を凍結
  • 全ての選手のフィットネス・マッチシャープネス・士気を最大値で凍結
  • 全ての選手の環境適応・プロ意識・野心・忠誠心・プレッシャーを20で凍結
  • 全ての選手の安定度を20、重要な試合を10で凍結
  • 全ての選手の特徴を削除
  • 1シーズン38試合を休暇により消化、これを20クラブ×2シーズンの計(38-6)×20×2=1,280試合でテスト


テスト結果

チーム成績

・戦術選択時の成績

順位
クラブ
得点 失点 勝点 npxG 総パス POS%
1 147.0 44.5 102.5 101.0 115.0 14,430 56.0%
2 116.5 37.0 79.5 99.0 101.7 13,887 52.5%
3 111.5 54.5 57.0 85.5 94.4 14,108 53.0%
4 94.0 37.5 56.5 82.5 92.9 13,952 52.5%
5 98.5 47.0 51.5 81.0 90.5 14,107 51.5%
6 108.5 62.5 46.0 79.5 97.6 14,418 54.0%
7 95.5 44.0 51.5 78.0 90.5 13,925 53.0%
8 99.0 55.5 43.5 77.5 93.1 14,271 51.0%
9 107.0 60.5 46.5 76.5 95.8 13,509 50.0%
10 109.0 58.0 51.0 76.0 93.9 14,124 53.5%
11 93.5 66.0 27.5 74.5 77.4 13,783 49.5%
12 93.0 60.5 32.5 72.5 86.9 14,025 51.0%
13 92.0 65.5 26.5 70.0 83.7 13,654 49.5%
14 92.0 61.5 30.5 68.5 78.3 13,838 49.5%
15 97.5 72.0 25.5 67.5 81.3 13,944 50.0%
16 86.5 66.0 20.5 67.0 79.8 14,145 51.5%
17 82.5 64.0 18.5 65.0 85.0 14,134 51.5%
18 79.5 67.0 12.5 59.5 75.2 13,514 48.5%
19 70.0 84.5 -14.5 49.5 63.4 13,737 48.5%
20 65.0 70.5 -5.5 47.5 65.8 13,832 49.5%
※38試合換算

得点数が抜きん出ているマンチェスター・シティを除くと、マンチェスター・ユナイテッドまでの上位10クラブは概ね100得点前後であるが、失点数は40~60失点とばらつきが大きく、上位に行くほど減少する傾向にある。パス総数とボール支配率は上位と下位でそれほど差がなく、戦術の影響を強く受けている。


・戦術未選択時との差

順位
クラブ
得点 失点 勝点 npxG 総パス POS%
1 +55.4 -16.1 +71.5 +41.9 +23.9 -2,395 +9.9%
2 +47.4 -18.5 +65.9 +37.3 +24.7 -8,221 -2.0%
3 +50.8 -0.9 +51.6 +36.3 +17.6 -6,144 +1.9%
4 +52.4 -8.6 +61.0 +35.6 +29.2 -736 +12.3%
5 +48.5 -16.0 +64.5 +34.1 +48.0 -1,865 +4.2%
6 +51.9 +5.9 +46.0 +29.5 +26.4 -6,090 +2.5%
7 +44.3 -1.8 +46.0 +29.4 +20.8 -4,507 +5.8%
8 +47.4 +0.5 +46.9 +28.6 +37.9 +722 +8.1%
9 +34.8 -16.0 +50.8 +28.1 +35.4 -277 +7.3%
10 +39.4 -5.4 +44.8 +27.1 +16.9 -3,227 +6.8%
11 +36.4 -4.3 +40.6 +26.0 +42.3 +3,056 +14.3%
12 +46.5 -1.5 +48.0 +25.8 +12.7 -10,774 -7.2%
13 +37.3 -13.5 +50.8 +25.8 +17.1 -10,174 -5.1%
14 +75.4 +12.8 +62.6 +19.4 +51.6 -8,121 -5.9%
15 +41.9 +11.6 +30.3 +18.3 +37.1 -3,609 +0.2%
16 +26.8 -2.3 +29.0 +18.0 +8.6 -2,943 +7.9%
17 +45.6 +10.1 +35.5 +17.3 +15.4 -8,181 -5.0%
18 +33.4 -5.9 +39.3 +16.4 +37.3 -5,757 -1.6%
19 +45.6 +14.1 +31.5 +14.4 +11.2 -11,164 -6.2%
20 +46.9 +16.6 +30.3 +9.6 +40.9 -5,602 -3.1%
※38試合換算、赤字は悪化

最も成績が向上したクラブはなんとルートン・タウン。あるセーブデータではシーズン途中までCL圏を争うほどの顕著な変化が見られた。攻撃的な戦術であるにもかかわらず、戦力が劣るクラブでも失点数の減少が大きく、アンダードッグにも適した戦術であるといえる。

個人成績

・評価点上位20選手

順位
クラブ
ポジ
名前
評価点
1 CF Erling Haaland 8.16
2 RB Kyle Walker 7.78
3 AM Kevin De Bruyne 7.68
4 AM Martin Ødegaard 7.61
5 CF Dominic Calvert-Lewin 7.51
6 CF Mohamed Salah 7.50
7 LW Bukayo Saka 7.44
8 AM Miguel Almirón 7.43
9 LB Ben Chilwell 7.42
10 CF Ivan Toney 7.41
11 CF Alexander Isak 7.41
12 LB Andrew Robertson 7.40
13 AM Christopher Nkunku 7.39
14 RB Reece James 7.38
15 CF Beto 7.38
16 AM Dejan Kulusevski 7.38
17 CF Moussa Diaby 7.36
18 CF Bryan Mbeumo 7.35
19 CF Armando Broja 7.31
20 CF Rasmus Højlund 7.31

評価点上位20選手のうち19選手が戦術上得点に絡む頻度の高くなるCF・AM・SBの選手となった。これらのポジションには可能な限り優秀な選手を置きたい。


・大きく変化したスタッツ

ポジ スタッツ 424 変化率
CB Drb*1 0.16 1.04 +550%
LB OP-CrsA*2 2.09 7.34 +251%
RB OP-CrsA 2.19 8.81 +302%
DM PrgP*3 4.56 6.44 +41%
LW Drb 3.40 2.01 -41%
AM Drb 2.16 1.41 -35%
AM Shots 1.53 2.38 +56%
CF npxG 0.32 0.51 +59%
※スタッツの値は90分あたり

戦術選択の有無によるスタッツの変化を比較する。最も大きく変化したのはSBのクロス数。SBは守備に関する能力以上にクロスやスピードに関する能力を重視したい。また、CBのドリブルはゲーム指定のBPDに必要な能力値には含まれていないが、増加率を考慮すると意識する必要がありそう。逆にLWとAMのドリブルは非常に重要な能力値とされているが、優先度はやや下がるか。

順位表

・テスト
プレイ結果1

プレイ結果2

プレイ結果3

プレイ結果4

プレイ結果5

前述のルートンをはじめ、ブレントフォードやエヴァートン、フラムも期待値を大きく上回る結果を残した。優勝はともかく、大陸大会出場圏内であればどのクラブでも狙える。


・通常プレイ
プレイ結果6

プレイ結果7

強度の高い戦術なので、通常プレイ時は選手のコンディション管理に注意が必要。ただ、CBとCFは同じ役割の選手2枚を並べるため、他の戦術と比較して補強やローテーションはしやすい。


まとめ

  • プレミアの全クラブに有効な戦術である
  • SB・AM・CFを優先的に補強する
  • SBはクロスやスピードに関する能力を重視する


次回以降は評価点やスタッツに強く影響する能力値の分析もできればと思っています。


出典

  • ( FM23 ) FM-Arena Tactic Testing League | Football Manager 2023 Tactics Sharing Section | FM-Arena
    fm-arena.com

  • Football Manager 2024 Test Details
    fm-gamers.com
  • *1:ドリブル成功数

    *2:オープンプレイクロス試行数

    *3:プログレッシブパス数