はじめに

自作戦術を公開するとき、特にアピールポイントとして「強さ」を前面に出す場合は、その成績が公平な環境で記録されたものであることは極めて重要です。今回は、私が普段行っている戦術テストの方法を紹介します。
なお、本記事で紹介する戦術テストは、ゲームをプレイしながら能力値等を編集することができるFootball manager Real Time Editor(以下、FMRTEとする)というツールの有料機能の利用を前提としています。有料ライセンスを購入しなければ本記事の方法でテストを行うことはできませんのでご了承ください。
1. テスト環境の構築
1-1. FMRTEの有効化
FMRTEのインストールと有効化を行う。本記事では、後述する戦術テストのための設定のみを紹介。
FMRTEの有効化の大まかな流れは以下のとおり。
- リンクからアカウントを作成し、メールアドレス等を登録する。
- リンクからライセンスを購入する。購入後、ライセンスキーが記載されたメールが届く。
- リンクから使用端末と同じOSのインストーラーをダウンロードする。
- インストーラー実行後、デスクトップ等に作成したショートカットからFMRTEを起動する。
- 画面右上の「Sign In」をクリックし、アカウント情報を入力してサインインする。
- 画面右上の「FMRTE」をクリックし、「FMRTE Status」の「License」からライセンスキーを入力する。
1-2. エディターデータの作成
各クラブの戦力がテストごとに変動しないように移籍制限をする。設定にはプレゲームエディター(以下、PGEとする)を使用する。
PGEのインストール方法は以下のとおり。
- Steamを起動し、ライブラリを表示する。
- 画面左上の「すべて」をクリックし、「ツール」にチェックを入れる。
- 「Football Manager 26」で検索し、検索結果の「Pre-Game Editor」をインストールする。
- インストール完了後、PGEを起動する。


PGEの仕様により、移籍制限設定は2段階で行う。最初に、デフォルトで移籍制限が設定されているクラブの移籍制限期間を変更する。
- 画面左のデータベースメニューの「クラブ」を選択する。
- 「条件を追加」から「移籍制限の開始日」を選択し、全クラブが検索対象となる日付でフィルタを適用する。
- 1か所にチェック後、Ctrl+Aで全クラブを選択し、画面右下の「編集」をクリックする。
- 左メニューの「財務状況」をクリックし、任意の「補強禁止タイプ」「移籍制限の開始日」「移籍制限の解除日」を設定する。


続けて、その他のクラブに移籍制限期間を設定する。
- 画面左上の「設定」から「検索可能記録の最大数」を10000に変更する。
- 画面左のデータベースメニューの「クラブ」を選択する。
- 「条件を追加」から「変更回数」を選択し、0以下でフィルタを適用する。
- 1か所にチェック後、Ctrl+Aで全クラブを選択し、画面右下の「編集」をクリックする。
- 左メニューの「財務状況」をクリックし、任意の「補強禁止タイプ」「移籍制限の開始日」「移籍制限の解除日」を設定する。
最後に、画面左上の「ファイル」から「エディターデータを名前をつけて保存」をクリックし、任意のフォルダにエディターデータをfmf形式で出力する。

出力前に検索結果の表示項目に「移籍制限の開始日」と「移籍制限の解除日」の列を追加して最終確認を行うと確実。
なお、怪我による離脱は後述する凍結により発生しないが、試合中の怪我を削除したい場合は同じくPGEで設定が可能。いわゆるMODはこのPGEで作成できる。
1-3. セーブデータの作成
MODを適用する際と同様の手順でセーブデータの雛形を作成する。日程進行のスピードを上げるために、データベースのサイズをできる限り小さくする。
- 1-2で作成したfmfファイルをeditor dataフォルダに格納する。
- 新規キャリア > 詳細設定と進む。
- テストを実施するリーグ以外のリーグを全て削除する。女子リーグも未選択とする。
- 画面右上「データベース」から1-2で作成したエディターデータを選択する。
- データベースをロードする。
- 任意のクラブを選択し、雛形であることが分かる名称でセーブする。


1-4. スタッフへの委任
少しでもCOMと条件を揃えるために、セットプレイ戦術管理以外の責務を全てスタッフに委任する。あくまで念のための設定で、マストではない。

1-5. 諸条件の統一化
1-1で有効化したFMRTEで、コンディション等の諸条件を統一化する。
- FMRTEを起動し、画面右上の「Load Game」をクリックする(①)。
- 双眼鏡のアイコンをクリックし(②)、遷移後の画面で「OK」をクリックする。
- 1選手を選択後、Ctrl+Aで全選手を選択する。
- 右クリックし、「Preset」から2枚目の画像の打消線のない項目を順番に適用する。
- 右クリックし、「Freeze」をクリックする。
- 氷のアイコンをクリックし(③)、全選手が正しく凍結されていることを確認する。

2. テストの実施
2-1. 戦術の設定
1で作成したセーブデータをロードし、戦術を作成する。手戻りが面倒なのでこのタイミングで戦術名を決める。版数管理(v1など)をするとマイナーチェンジがしやすい。
また、このタイミングで改めて別名でセーブする。マッチエンジン、戦術名、クラブ名等が分かるとよい。

2-2. 諸条件の凍結
FMRTEを起動して画面右上の「Load Game」をクリックし、1-5で準備したFMRTEの設定を読み込む。
試しに数週間休暇で消化した後も下の画像のように全選手のコンディション等が最大値となっていれば、1-5の設定が正しく適用されている。

2-3. 試合の消化
諸条件を凍結した状態で試合を消化する。
- 画面右上のカレンダーをクリックする。
- 「休暇を取る」をクリックし、下から2行目の「選択中の戦術を使用」にチェックを入れる。
- 「休暇から戻る日」に任意の再開日を選択し、休暇を確定する。
再開日は基本的にいつでもよいが、FM-Arenaに戦術を投稿する場合はスカッド一覧のスクリーンショットが必要なので、シーズンが切り替わる前の日付(5月末など)を設定すること。
休暇から復帰したら、2-1で保存したセーブデータとは別名で保存する(末尾にendを付す等)。

2-4. 結果の確認
結果を確認し、Googleスプレッドシート等に記録する。他の戦術と成績を比較し、大きく劣る結果が出ていれば2-1に戻る。複数クラブでテストを実施する場合は、全クラブのテストが終了するまで2を繰り返す。
実際の勝点だけではなくxGやxGAなども見ることで、より精度の高い(運要素を一定程度排除した)結果を得ることができる。

さいごに
本記事で紹介したテスト方法は私が雑に調べた範囲で編み出したものです。特に各種ツールの使い方の部分で、より良い方法があればご教示ください。
最後に、私の戦術テストの結果をまとめたスプレッドシートのリンクを置いておきます。