はじめに
Football Managerの戦術検証サイト「FM-Arena」には様々なフォーメーションの戦術が投稿されていますが、FM24の3バックの戦術は中盤にセグンドボランチを2枚置く3-4-3が主流です。
本記事では、FM-Arenaの3バック戦術で最も高い勝点を記録しており、Hall Of Fame(殿堂入り)にも選出されている「3421 NarrowMeta v37」を紹介します。
戦術
選手の役割
3BPD(De)+2WB(At)+2VOL(At)はArenaの上位戦術の基本形。IFをサポートタスクではなく攻撃タスクで採用しているのは少し珍しいが、メンタリティーや個別指示は同じなので選手の動きに大きな違いはない。
戦術スタイル
近年のFMシリーズでは最も結果を残しやすいとされているハイプレス・ハイラインを採用。Arenaでは必ずといっていいほど採用される「スペースに展開を」「左/右サイドをアンダーラップ」「ドリブルで仕掛けろ」が選択されておらず、3バック特有の調整が施されている。
個別指示
特徴的なのはVOLの「ディフェンスの隙間に入り込め」とIFの「特定のポジションをマーク」。特に前者は3バックを採用するにあたって避けては通れない前線のアタッカー不足を少しでも緩和するために重要。また、WBはクロスを促す個別指示を複数指定するのが定石だが、本戦術ではデフォルトで選択されている「ゴールライン付近からクロス」のみとなっている。
配置
ポゼッション時
両翼のWGが絞り、WBが高い位置を取る。CBはパスコースがなければドリブルで可能な限り持ち上がる。仮にCBがロストしても、残りの2枚が最終ラインに残っているため、数的不利の状況でカウンターを受けるリスクは低い。
アタッキングサードへ攻め込んだら、同サイドのCBとボランチ2枚がポジションを上げてサポートに加わる。WGのCF化によりサイドのサポートが薄くなりがちだが、この位置でボールをロストしても失点に直結する確率は低いため、ゴール前の厚みを優先する。
WBは高頻度でドリブルでの攻め上がりを優先する。うまく前進できた場合は、複数の選手が待つペナルティエリア内へクロスを上げるか、サポートに来たボランチへボールを預ける。
流れたクロスは逆サイドのWBが回収し、CBがサポートを行う。このように3バックはBPD3枚でも機転を利かせて適切なポジションを取ってくれるので、あえてリベロやWCBを選択する必要性は低い。
相手に弾かれたクロスのこぼれ球はCBが競り合い、ボランチがフォローに行く。セカンドボールを拾ったボランチはWGの絞りにより生まれたスペースへパスを出し、WBへ再展開する。
非ポゼッション時
最終ラインは3CB+2WBの5枚を並べる。WGが相手のSBをマークするため、ミドルサードでは5-4-1の陣形となることが多い。
ディフェンシブサードでも5枚のブロックを維持。WGは相手SBのマークに徹し、自陣深くまで戻らない場合が多いため、相手のWGに突破力があると後手に回ることもある。
戦術テスト
テスト環境
プレミアリーグ20クラブとEFLチャンピオンシップの24クラブを合わせた計44クラブを1つのリーグとし、テストを行う。また、能力値の編集や固定にはFMRTE等のソフトを使用する。
詳細は以下のとおり。
- パッチ24.4のマッチエンジンでテスト
- パッチ24.3のデータベースでテスト
- テストリーグのうち4クラブの戦術を選択戦術に固定
- テストリーグの全クラブに補強禁止処分を適用
- 全ての選手は移籍をしない
- 全ての選手は怪我をしない
- 全ての選手の能力値を凍結
- 全ての選手のフィットネス・マッチシャープネス・士気を最大値で凍結
- 全ての選手の環境適応・プロ意識・野心・忠誠心・プレッシャーを20で凍結
- 全ての選手の安定度を20、重要な試合を10で凍結
- 全ての選手のプレイ特性を削除
- 戦術を採用したクラブのレギュラーの選手は出場するポジションの適性を最大値に変更
- 1シーズン86試合を休暇により消化、これを計(86-6)×44=3,520試合でテスト
比較戦術
FM-Arenaの上位戦術をテスト結果の比較対象とする。比較に使用する戦術は以下のとおり。
・One Shot V22
・Problem Solvin V24
テスト結果
「3421 NarrowMeta v37」のテスト結果を前述のArena上位戦術と比較する。勝点等の平均値は下表のとおり。
・全44クラブ
戦術 | 得点 | 失点 | 差 | 勝点 |
---|---|---|---|---|
(1) 3421 NarrowMeta v37 | 91.8 | 50.0 | 41.8 | 74.3 |
(2) One Shot V22 | 91.6 | 50.7 | 40.9 | 73.2 |
(3) Problem Solvin V24 | 85.4 | 48.5 | 36.9 | 71.2 |
・Premier League 20クラブ
戦術 | 得点 | 失点 | 差 | 勝点 |
---|---|---|---|---|
(1) 3421 NarrowMeta v37 | 110.0 | 36.1 | 73.9 | 88.9 |
(2) One Shot V22 | 109.4 | 37.2 | 72.2 | 87.3 |
(3) Problem Solvin V24 | 103.3 | 34.5 | 68.8 | 87.3 |
・Championship 24クラブ
戦術 | 得点 | 失点 | 差 | 勝点 |
---|---|---|---|---|
(1) 3421 NarrowMeta v37 | 76.6 | 61.7 | 14.9 | 62.1 |
(2) One Shot V22 | 76.8 | 62.1 | 14.7 | 61.4 |
(3) Problem Solvin V24 | 70.5 | 60.1 | 10.3 | 57.8 |
全ての表で(1)の「3421 NarrowMeta v37」が好成績となった。FM-Arenaのテストでは(1)<(2)(3)だったので意外な結果に。3バックの採用が特別失点数の低下に寄与しているという訳ではなさそうだが、4バックの戦術と比較しても遜色ない成績を残した。
クラブごとの勝点は以下のスプレッドシートから↓
スクリーンショット
さいごに
2024/10/14時点で「3421 NarrowMeta」はFM-Arena唯一の四つ星(EXCELLENT)3バック戦術です。リベロや3CFなど様々なパターンをテストしましたが、個人的にはこの戦術が今作における3バックの結論だと思っています。
次回は私の自作したリベロ採用の3バック戦術を紹介します。最後までご覧いただきありがとうございました!
出典
fm-arena.com
fm-gamers.com